■そもそも中性脂肪とは?
健康診断で「TG」の記号で表されるのが「トリグリセリド」と呼ばれる中性脂肪です。中性脂肪=肥満というイメージを持つ人がほとんどかと思います。体についた余分な贅肉、皮下脂肪がいわゆる、「中性脂肪」です。
とはいえ、中性脂肪は体に不可欠なエネルギーです。皮下脂肪や内臓脂肪として体温が低下した時、食事が摂れない時など、万が一に備えて貯蓄されているエネルギーなのです。しかし、運動不足や偏った食生活によりこれらが過剰に摂取され過ぎると、様々な健康被害をもたらす要因となるのです。
■中性脂肪の基準値
中性脂肪の基準値は高すぎても低すぎてもいけません。健康診断等でも以下のように正常値と異常値が区切られています。
正常値 30~149㎎/dl
異常値 29㎎/dl以下または150㎎/dl以上
健康診断や人間ドックでの数値は、あくまでも血液中の中性脂肪の濃度を数値化したもので、その日の食べ物や体調によっても変動するものです。数字に一喜一憂せずに、定期的に適性値を保つ努力が必要です。
■中性脂肪の増える原因
・暴飲暴食
中性脂肪が増えてしまう原因は、遺伝や肥満、その他の病気が原因によるものなど様々です。しかし、最も中性脂肪を増やす原因として考えられるのは、「暴飲暴食」です。
主に精製された炭水化物(パン、白米、お菓子、ジャンクフード、ジュース等)は、中性脂肪を増やす原因となります。炭水化物はインスリンを急激に上昇させ、機能低下を起こし、消化しきれなかった炭水化物は中性脂肪へと変わります。
さらに、暴飲暴食が原因で肥満になり、体内の蓄積された中性脂肪が肥満によりさらに蓄積されるという悪循環を招きます。
肥満になると、体を動かさなくなりエネルギーの消費が低下します。食欲は変わらない為、どんどん余分な糖質や脂質が溜り中性脂肪も増えてしまいます。
・ストレス
一見、中性脂肪とは無関係のように思いますが、ストレスも中性脂肪を増やす原因になると考えられます。
ストレスを感じると、人間は自律神経やホルモンのバランスが崩れます。そうすると、その変化から中性脂肪を増やす原因ともなるのです。
・過剰なアルコール摂取
過剰なアルコールの摂取は、中性脂肪の分解に必要な肝機能の低下を招きます。また、アルコールが分解される時の代謝により、肝臓内での中性脂肪の合成が促進されることが明らかになっています。適度なアルコール摂取は問題ありませんが、暴飲暴食同様、取り過ぎには注意しましょう。
■中性脂肪を減らす方法
まずは、生活習慣を見直すことが不可欠です。中性脂肪が増え続けると、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞など命の関わる危険な病気を引き起こす要因にもなります。
増えてしまった中性脂肪を減らすには、「食事」と「運動」を中心に生活改善の見直しが必要になります。これらを継続的に行い、習慣化していく努力が必要です。
■中性脂肪を減らす食事と目安の量
①一日の摂取カロリーを20%減
まずは一日のカロリーの目安を知っておきましょう。その上で、中性脂肪を減らす為にはそれぞれの平均エネルギー摂取量から約20%程減らすようにしましょう。
成人男性 1900カロリー~2000カロリー
成人女性□1400カロリー~1500カロリー
②一日の炭水化物の量を70g~100g程に抑える
炭水化物は極端に減らしすぎるとエネルギー不足になってしまうため、夕飯を避け、朝夕で摂るのが良いでしょう。
③脂質に注意した食事
・肉より魚を選ぶ
・油はオリーブオイルやごま油、亜麻仁油を使う。
・揚げ物を避け、パン粉を付けて焼くなど工夫する。
・肉は焼くより茹でる。
・炒め物より煮物にする。
④脂質の少ない肉類
・ささみ
・むね肉(皮なし)
・ラム肉
・赤みの肉(ヒレ肉)
⑤中性脂肪を下げる魚類
・イワシ
・さんま
・あじ
・さば
・ツナ缶
・いくら、たらこ
⑥中性脂肪を下げる食べ物
・トマト
・玉ねぎ
・納豆
・豆腐
・にんにく
・わかめ
■目安の量を食べ続けるのは難しい?
オメガ3脂肪酸をご存じですか?青魚や亜麻仁油、クルミ、緑黄色野菜、豆類から摂取できるDHAやEPAと呼ばれ、血液中の脂質濃度を下げる働きをします。主に以下のような効果が期待されます。
・コレストロール値を下げる
・中性脂肪値を下げる
・動脈硬化、心筋梗塞の予防
・高血圧予防
・ダイエット
オメガ3脂肪酸は厚生労働省により一日1000㎎(赤刺身40切れ、またはイワシ一匹)が推奨されています。しかし、実際はその半分も摂取できていないのが実情です。
食品から摂れれば一番良いですが、毎日魚料理や、酸化しやすいえごま油や亜麻仁油を使うのも難しいですよね。そんな時は上手にサプリメントを利用して健康維持を測りましょう。